2008年10月26日日曜日
2008年10月24日金曜日
ホップ、シャンソン、詩吟と『恋愛時代』
新横浜あたりから、新幹線のFMを聴きながら、本を読む。
今読んでいる本は、中沢 尚(なかざわ ひさし)著「恋愛時代」(幻冬舎)。
文章がなかなか小気味よく、音楽を聴きながらの読書に向いている。
登場人物は、離婚した元夫「早勢理一郎」と元妻「衛藤はる」とその仲間たちといったところ。
今月の新幹線ミージックチャンネルは、ヘイリーの「純~21歳の出会い」から、「白い色は恋人の色」、「ハナミズキ」、「花」、「時代」といったポップ、クレール・エルジエールの「パリ、愛の歌」から「ムーランルージュ」、「パリの空の下」などのシャンソンである。
ふたりの行き違いの物語が、何だかこの音楽によくあっていて心地がいい。
終盤近くになると、元夫の空白の時間が何であったか分かる。
となると、ストーリー展開は、オイオイ、アメリカ青春映画の『卒業』かよ?
そう、ダスティン・ホフマン演じるベンジャミンが、キャサリン・ロス演じる花嫁のエレーンを教会から連れ去り、バスに乗ってどこかへ行ってしまうというアレ。
『卒業』とは逆に、女性(元妻)が男性(元夫)を連れ去るってか?
それはちょっと、いただけないナ、と思っていると最終章へ。
名古屋から岐阜へ。岐阜駅のホームでちょっと時間待ち。
さらに本を読んでいると、ホームの端からナマ詩吟が聞こえてきます。
ちょうど自分と同世代かなと思うような男性です。聞いていて、イヤな感じはしません。詩吟のことは、よく分からないのですが、うまいなぁなんて感心するほど。
な~るほど、そうくるか。
最終章を読み終えると、さらにほんとうの最終章があった。
この小説、同じタイトルで韓国でドラマ化された。
元妻をソン・イェジン、元夫をカム・ウソンが演じている。これまた実に面白い。結末を知ったいま、彼らが演じる「はる」と「理一郎」が、自分が小説を読みながら描いたイメージとどう違うか、たのしみだ。
2008年10月18日土曜日
2008年10月12日日曜日
秋祭りと納竿祭
稲も黄色く色づき、まもなく収穫。ことしは、台風の影響もなく、豊作のようで何より。
一方、秋の祭りが終わるまでに正月菜(小松菜)の種蒔きを済ませろという、地元の暦があるらしく、わが家では祭りの賑わいを聞きながら、種蒔きをした。
(写真上:正月菜(小松菜)の苗床)
仕事は親の管轄下であるが、ちょっと入院中のため、段取りがよく分からない。
インターネットで種の蒔き方を検索。ウネを平らにして、そこに15センチほどの幅で2列に種を蒔く。
土をフルイに掛けて種の上にかけ、表面を木のコテなどで上から押さえつける。これで完了。
周りの畑を見ると、ネットをしているところが多い。
買い置きしてあるネットを見つけ、種蒔きをしたウネにカバーを施してみる。
きっと、雨、風にも蒔いた種は飛ばないだろうと。
これが蛇足。
カバーの本来の目的は、虫よけらしい。
種を蒔いたウネのカバーは、意味がないらしい。
折角だから、カバーはそのまま。
まだまだ駆け出しの初心者マーク。
次に、ブロッコリーの苗を植える。第2弾である。
第1弾は、以前、親が植えており、すでに20センチほどに成長している。
これは、正解のようだ。確かに、第1弾のウネには虫除けのカバーがしてある。
午後3時30分より、師匠宅にて鮎釣りの竿納めのバーベキューパーティがあり、夫婦にて参加。
兄弟子夫婦、師匠のふたりの娘さんとその友達も集まり、鮎の塩焼き、鮎の甘露煮、焼肉(牛・豚・鹿・山鳥)、たこ焼き・・・と、舌鼓。
たのしい鮎シーズンも終了。課題は、丁寧な仕掛け作り。丁寧な仕事は裏切らない。畑仕事とまったく同じだ。「分かってるよナ」と、自分に言い聞かせてみる。
「つり人」10月号に終盤の鮎釣りポイントの特集があり、郡上在住の白滝治郎(しらたきじろう)氏が長良川の「千疋大橋」の上流を紹介している。ここはまさしく、今シーズン、3回ほど釣行しているポイントである。なかなか、紹介されているようにはいかない。
ところで、ことしの利き鮎大会(高知県友釣連盟主催「清流めぐり利き鮎大会、9月29日開催)では、全国52河川の鮎が出品され、グランプリは長良川の郡上(ぐじょう)鮎、準優勝に神崎川(岐阜県美濃地方)が決まった。これまでも、岐阜県は飛騨地方の馬瀬川(まぜがわ)、和良川(わらがわ)がグランプリを獲得しており、連続して名誉の優勝を果たしている。つまり、県内の河川、それほどにきれいだということであり、釣りファンの一人としてこの名誉を維持するためにもマナーを守っていきたい。
今シーズン、いろいろ反省点はあるものの、たのしい鮎シーズンでありました。
2008年10月11日土曜日
『テンペスト』(池上永一著)
時代は、19世紀。現在、放映中のNHK大河ドラマ「篤姫」と同時代の沖縄、琉球王国の話。
清国と薩摩藩の狭間で柵封体制を維持しながら、主権国でありつづけようと奔走した人たちの絵巻物のような歴史小説である。
主人公は、真鶴(まづる、女性)=孫寧温(そんねいおん、宦官)。
物語自体は、ヨーロッパ、アメリカのアジア進出という大きな波なかでの琉球王国の存亡という大きな歴史の流れをタテ糸に、主人公の韓流ドラマ「大長今(チャングム)」的な浮き沈みの人生をヨコ糸として織り成したようなイメージである。しかしも、この主人公は、チャングム、ミン・ジョンホ様、側室になったイ・ヨンセの3人を加えたような人物であり、物語に金糸の厚みを加えたような展開である。
この本は、絵巻物のような歴史小説でありながら、読後感として聞得大君(きこえおおきみ)の魂の叫びのような余韻を感じるのは、作者が沖縄生まれというせいだけではなさそう。
その後の「沖縄」、いまの「日本という国」に自ずと思いが至る。
☆、3ツです!
杉原千畝とその夫人のこと
千畝は、すでに逝去(昭和61年)している。この8日に幸子夫人が97歳で亡くなったとの記事が、本日の新聞に掲載されいる。
千畝は、わが岐阜県が誇る人物のひとりである。
千畝は、わが家から東に車で1時間足らずのところにある八百津町の生まれである。
家族で横浜から岐阜に戻った折、おそらく7年ほど前、子どもたちを連れて八百津町を訪ねたことがある。杉原千畝の偉業を記念して「人道の丘」がつくられ、そこに記念館も建てられている。
何年か前、TVドラマで反町隆史主演にて「6000人の命のビザ」(?)とか題して放映されたことがある。子どもたちに尋ねたところ、「人道の丘」に行ったことは、はっきりとは覚えていなかった。この番組みは、飯島直子が夫人役を演じており、幸子夫人著「六千人の命のビザ」をふまえてドラマ化されたものだったように思う。
そのドラマが放映される何年か前、ヒレル・レビン著「千畝―1万人の命を救った外交官杉原千畝の謎」(清水書院)を本屋で偶然に見つけ読んだことがある。
その本は、千畝の偉業は偉業としつつも、千畝のスパイ説、千畝の前妻・クラウティアへのインタビューの内容を紹介するとともに、幸子夫人にも冷たい視線が注がれていた。
そのTVドラマを観ながら、「この奥さんのことは、美化しすぎているという人もある。」などと、子どもたちに話したことがある。それは、随分と分厚いその本をふまえてのことであった。
あとから知ったことであるが、この本をめぐってはいろいろな議論があるようだ。
翻訳の問題、捏造等々、反論もかなり出ている。
遺族の名誉がかなり傷つけられたようだ。
そういう意味で、わたしも名誉を傷つけてしまった一人である。
本日の記事を見て、そのことが思い出された。
子どもたちは、テレビを観ながらそんな話を父親がしたことなど、覚えていないと言うかもしれない。それでも、書いて置かなければと思った次第。
杉原千畝の名誉回復は、驚くほどつい最近のことである。
あの鈴木宗雄議員の尽力によるところ大のようだ。