2009年1月21日水曜日

東京ばな奈とオバマ新大統領就任式

「今週末は帰ってくるの?」
娘からの携帯電話で目覚める。
時計を見ると、夜中の1:15である。「帰るけど?」
「東京バナナ、買ってきてよ。」
わが家では、6・7年ほど前から、「東京ばな奈」という東京みやげのお菓子が好評である。
「チョコが、ちょっと変なの。」
チョコというのは、わが家の愛犬である。室内犬である。
檻に入らず、廊下の隅で何かに怯えているというのである。
「おばあちゃんは?」
「寝息を立てている。それじゃあ、東京ばななを頼むね。」
夜中の電話は、そういうことか。
テレビのスイッチを入れると、まさに、オバマ新大統領の宣誓、就任演説が始まろうとしているところ。
娘の電話のお蔭で就任演説をLIVEでみることができた。
新大統領にあれほど熱狂できるアメリカ国民が羨ましい。あのエネルギーこそ、偉大なアメリカの象徴なのかもしれない。
はからずも、オバマ大統領就任日は、娘の気遣いを再認識する記念日ともなった。
オバマ47歳。
当方は、夜中、娘に安否確認される年齢。
metabo108なんて、おどけている年齢ではなさそうだ。
東京ばな奈、忘れず買って帰らねば!

2009年1月20日火曜日

「会社は毎日つぶれている」

西村英俊著「会社は毎日つぶれている」(日経プレミアシリーズ)を読了。著者は、2002年に総合商社の日商岩井㈱社長に就任し、2004年4月の㈱ニチメンとの統合を実現した経営のトップの経験者である。
日商岩井㈱は、過去、㈱ニチメンとの比較では上位に位置していたが、統合に際しての存続会社は㈱ニチメンであった。このことからしても、統合当時の日商岩井㈱がいかに厳しい経営環境にあったか窺い知ることができる。
その修羅場を潜り抜けた経営トップが、企業の社長に「社長とは」を語りかける。それは、社長と副社長とはまったく異なると言い切る文面にも、臨場感が感じられる。「会社は毎日つぶれている」とは、倒産件数の話ではない。会社というのは、社長次第でいつでもつぶれる存在であり、会社のベクトルは常につぶれる方向にあり、まずは維持することも容易なことではないという意味でのタイトルである。
社長が会社を維持していくためには、顔の表情は常に明るく、決断は毅然と、内面では細心の注意を払わなければならないということらしい。
このあたりのことが、いろんな体験をふまえて語られている。たとえば、2005年3月期において350件の資産・計6000億円のうち4300億円を特別損失として計上する決算が大詰めた最中、社内ルールを逸脱した銅・アルミ相場取引による160億円もの追加の損失が発覚。4300億円もの特別損失を発表して半年も経ない中での160億円の損失追加。これを発表すれば、さらに隠している損失があるのではないかとの同社に対する市場の不信がつのり、いよいよ立ち行かなくなるのではという修羅場にあっての経営トップの判断。当時のマスコミ報道では知ることのできない現場が、本の中で再現されている。
社長のこころえとしては、そんなに新しいことは書かれていない。むしろ、普通のことがかかれているのかもしてな。しかしながら、筆者が経験した実例をふまえて語られると、ごく普通のことの大変さを読者に納得させる。
一気に読むことができる。