仕事を終えて仲間3人でカウンターバーにてビールを飲んだ。そのバーにて、控えめに流れてくる音楽に耳を傾けた。ヘイグであった。絶対音感を持つニュージーランドの歌手である。日本の歌を日本語や英語で歌っている。絶対音感の持ち主だからなのだろうか、その日本語には外人が話す日本語の独特のイントネーションがない。同僚が、日本人の歌声と間違えるほどにきれいな日本語なのである。
「純 21歳の出逢い」というCDである。アメイジング・グレイス、ハナミズキ、花、白い色は恋人の色などのが流れた。このCD、娘の21歳の誕生日にプレゼントとしたものである。
このCDを気に入って、闘病生活を送っている同級生に送ろうかとも思ったが、迷った挙句に送ったのは、シャンソンの「パリ、愛の歌―永遠のクレール・エルジエール」である。
ビールを飲みながら、友人に電話をしてみようかと思い立った。闘病生活を送っている人間にとって、案外見舞いの電話を受けるというのも億劫なはず。そんなんことを言い訳にしながら、ついつい電話を入れそびれていた。
しかしながら、ヘイグに背中を押されるように、バーを出た後の帰路、友人の自宅に電話を入れてみた。
奥さんである。明るい声であった。安堵感があって、やがて本人が電話に出た。元気な声であった。この5月から、時短ながら社会復帰したという。明るいニュースに感激をした。今の医学の高度な技術にも敬意を表したい気分であった。
クレールのシャンソンは、正調シャンソンのようのようで親しみやすく、聴いていて素直になれる。友人もそんな性格の人間であり、ちょうどいいのではないかと選んだ経緯がある。
まだ本調子ではないようではあるが、とにかく友人の社会復帰を祝い、本格的な健康回復を祈りたい。
今夜は、ビール・バーで聴いたグレイスに感謝。