なんだか無性に、朝、公園でサンドイッチを食べながら缶ビールを飲んでみたいと思わせる読後感でした。
朝の公園で缶ビールを飲み、サンドイッチを食べる場面は、小説のなかで繰り返し出てくる場面ですが、徹夜あけのビールって、どんな味だろうかと気になってしまいます。普通ではないけれど、「なくはない」だろう、いや案外、夜飲むビールより五臓六法染み渡るような気がします。
新井千裕という人の小説も、そういうところに面白さがあって、たのしみしている。
ハハッと面白い表現が散りばめられていて読んでいてたのしい。他方、怠惰なようで、ハッとするように宇宙的な世界に深化したりする。
ぜひ、みなさんにお薦めしたい。